成功事例
Sybase
IXIASOFT からの支援によって、Sybase のドキュメント制作チームは、パフォーマンスを最大化し、ローカリゼーションコストを削減し、効率性を上げることができました。
複雑なエンタープライズソフトウェア一式を管理する DITA CMS により、Sybase はコンテンツの王者となっています。
Sybase のドキュメント制作チームが、DITA コンテンツ管理の真のパートナーである IXIASOFT の助けを借りて、どのようにコンテンツ再利用を推進し、20 ものエンタープライズソリューション一式においてブランドの統一感を作り出しているのか、そのストーリーをご紹介します。
140 もの特許で受賞し、185 の特許取得待ちである Sybase は、データ管理、解析、モバイルメッセージング、エンタープライズモビリティの市場リーダーです。同社は「Unwired Enterprise」という用語も作り出しました。フォーチュン 100 社の 91 社が Sybase を利用していて、今では 26 年のイノベーションを祝っていることはまったく意外なことではありません。
偉大さは挑戦なしでは成り立ちません。ソフトウェアメーカーが成長すると、製品はソリューションへと成熟し、バンドル化とカスタマイズが可能なスイートにまとめられる場合があります。ソフトウェアメーカーがこの進化の間に収益を上げるには、知的資本と人的資本の両方のパフォーマンスを最大限に引き出さなければなりません。これらの形の資本はテクニカルパブリケーション部門内で交差することがしばしばあります。
Sybase のテクニカルパブリケーショングループは、コンテンツ再利用を向上させ、ブランドの一貫性を維持するためのコンポーネントコンテンツ管理システム(CCMS)が必要でした。両要素とも企業の最終収益には欠かせないものです。IXIASOFT の DITA CMS を選ぶ決定を下す際には、慎重な検討が必要でした。
Sybase のテクニカルパブリケーションチームの計画の概略には、多くのグローバル組織が反映されています。
- 英語、中国語、フランス語、日本語、ドイツ語を含む複数の言語
- 複雑なチーム:25 人以上の執筆者、12 人のインフォメーションアーキテクト、50 人以上のレビューア、数人のエディターとマネージャー
- 短期間でのバージョンリリース:6 カ月未満
- 様々な地域に分散したチーム:米国、カナダ、英国、アイルランド、フランス、シンガポール
複数のヘルプ形式の提供:WebHelp、EclipseHelp、および PDF であらゆる形式の文脈依存性に対応
クイックファクト
Sybase は、60 カ国に 4,000 人の従業員を擁する、120 億ドルの収益をあげているソフトウェアメーカーです。 そのテクニカルパブリケーション部門は 50 人以上のユーザーからなります。
DocBook と FrameMaker から移行。
CMS の主な推進要因:
- 幅広いソフトウェアスイートとバンドルのコンテンツ再利用
- 共通の外観が必要
- ローカリゼーションコストの増大
- 様々な地域に分散した人員
- コンテンツの正確性の向上
CMS を選ぶ理由:DITA の役立つ機能を最大限に活用
Sybase が初めて DITA の優れた機能(モジュール性、再利用可能なコンテンツ)について耳にしたのは数年前です。DocBook と FrameMaker を利用していた古いプロセスは手間がかかり、コンテンツを再利用できませんでした。開発中により多くの製品を生み出せること、市販化への期間が短いことが、Sybase が DITA を検討するきっかけとなりました。
テクニカルパブリケーションの取締役は初めて DITA 会議に出席した後、慎重ながら楽観的な見方をするようになりました。 「Sybase はあまりにも多くのスイートとバンドルを抱えていて、従来の分散したプロセスでは不十分でした。 すべてのコンテンツを 1 つのまとまりのある製品として動作させ、外観にも統一感を持たせる必要がありました。 また、確実な正確性を備えている必要もありました。 さらに、過去数年よりも執筆者の数が減り、かつてないほどの仕事量を抱えていましたが、コンテンツ再利用の見通しはほぼゼロでした。 私達は DITA を試して、ドキュメント制作プロセスをさらに合理化できるか、DITA の可能性を評価したいと思いました」
Sybase は変換スクリプを使用して、DocBook から DITA へと社内で移行を開始しました。移行中、Sybase は DITA OT を基に自社製システムを改造しました。数年の間に、この自社製システムはユーザーの人気を獲得しただけでなく、DITA を使った成功のシンボルにもなりました。
DITA で 2、3 の製品ライフサイクルをサポートした後、テクニカルパブリケーションの幹部層はコンテンツ再利用を完全に改善したいと感じました。ただし、マネージャーは DITA の価値を最大限に活用することも、もっと改善できるはずだという思いから逃れることもできませんでした。Sybase は最初に小さいチーム内で DITA に移行しましたが、より大規模な移行によってもっと大きなメリットを得られるだろうと感じ、CMS を統合する必要性が生じました。
DITA 移行では、まだいくつかの問いへの答えが見つかっていませんでした。
- ローカリゼーションコストが最終的に減るのはいつになるのか?
- 当社の文書に明確な外観が依然として欠けているのはなぜなのか?
- 特定の製品リリースにどのバージョンのトピックを使用したらいいのかがどうしたらわかるのか?
- ワークフローと分散した共同作業の欠点をどうしたら避けることができるのか?
- コンテンツが最初に見つからなかったら執筆者はどのようにしてそのコンテンツを再利用できるのか?
- 発行した媒体の不正確さをどこで排除できるのか?
当社は現在、主力製品である Adaptive Server Enterprise を IXIASOFT に託しており、期待以上の成果をあげています。
Anna Hartman 氏 – テクニカルパブリケーションソリューションのマネージャー
成功をおさめた投資対効果検討書
CCMS の資金を得るため、予算担当の Sybase の技術ディレクターは、潜在的な節約額を示す明確な投資対効果検討書を求めました。
- ローカリゼーションコストの削減:コンテンツ再利用を増やし、ローカライズを必要とするコンテンツの提出を減らすことで、ローカリゼーションプロセスを合理化する。
- テクニカルライターとエディターの効率性の向上:検索機能とコンテンツ再利用によって、(他の IXIASOFT の他の顧客の文書配信速度で見られたように)平均的な執筆者の生産性を 2 倍以上に高めることができる。
- 製品発売の遅れを回避:10 億ドル規模の売上を上げる平均的な企業なら、発売が 2 週間遅れるたびに 500 万ドルの損失が出る。
DITA CMS ベンダーの評価:完全性の啓示
テクニカルパブリケーション部門は、DITA ベースの最も優れた CMS を見つけるための予算を確保しました。オープンソースプロバイダーを含めた大手ベンダーに提案依頼書が一斉に送られました。ベンダーはそれぞれ、自社 CMS なら Sybase (および Eclipse)をサポートできると主張しましたが、信頼できるのは 3 社だけであることが判明しました。事実、「信頼」というのは、CMS ベンダーの中で最も見つけにくい特性だったかもしれません。
テクニカルパブリケーションマネージャー、Anna Hartman はこう言います「DITA はまだ初期の採用段階にあります。 ですから、市場に出回っている信頼できる 3、4 社の CMS 製品のうち、完全にそのまま利用できる製品は皆無です。 それにベンダーは注意をひくためなら何でも言います。 つきつめると、こういう問いになりました。会社の成功のために長期的に投資するとしたらどのベンダーが信頼できるかと」
Sybase は IXIASOFT の専門知識と DITA への完全なコミットメントに感銘を受けました。Sybase は、IXIASOFT R&D チームがソリューションを確実に改良し、完璧に仕上げている様子を目にしました。また、CMS の柔軟性にも IXIASOFT の営業コンサルタントの誠実さにも感心しました。
「小さいベンダーは、守れないことを安請け合いします。 大きいベンダーは、こちらの要求がもっともでも譲歩しません。 それとはまったく対照的に、IXIASOFT は誠実で、ダイナミックで、素早く対応してくれます。 CMS に対して明確な長期ビジョンを持つ弊社では、ベストインクラスを維持するためにどんな新機能が導入できるか、顧客からの情報を歓迎しています。 今日では成熟した革新的なソリューションである DITA CMS の進化に満足しています」と Hartman 氏は語ります。
現場での実装:真のパートナーシップの誕生
契約から本番まで、実装には 3 カ月かかりました。これは、納期と予算のとおりでした。IXIASOFT のコンサルタントとエンジニアは CMS を迅速に統合するために、着実な手法を利用しながら全力で作業に取り組んでいます。それには、本来の DITA 移行よりもはるかに短期間で物事を進める必要があります。Sybase の主な関係者にはすぐに必要な情報を伝えられ、懸念事項も対処されました。
さらに、Sybase と IXIASOFT は、DITA ベースの(コンポーネント) CMS を長期にわたって利用できるように、CMS 用の健全な環境を共同で構築しました。それらのベストプラクティスは次のとおりです。
- 社内で DITA CMS推進者を指名し、備える。新しいユーザーの採用をサポートする指導者。
- ドキュメント制作チーム内で DITA の知識が豊富な人材を確保する。
- ドキュメント制作チーム全体に投資対効果検討書を提示:DITA に移行することのビジョンと予想されるメリットを明確に伝える。移行プロセスに関する意見を募る。
- それぞれのテクニカルライターとサブジェクトマターエキスパート用にカスタム DITA 移行計画を作成して、彼らが自身の移行を妥当なペースで「つかめる」ように支援する。
- 説明責任会議を開いて、CMS がお客様の期待通りに正確に導入されるように、現行プロセスについて話し合う。CMS ベンダーに既存の IT インフラストラクチャを把握させて、CMS 導入を最適化する。
- カスタムトレーニング – 独自のトレーニングセッションで様々なユーザーと管理者ロールのニーズに対処する。知識は忘れやすく、補強が必要なため、フォローアップセッションを主催する。
- どの企業での実装でもそうですが、予期しないニーズと課題が発生するものです。
- 「当社は幸運にも、当社の成功を応援してくれる IXIASOFT という真のパートナーを選びました」と Hartman 氏は言います。 「IXIASOFT のコンサルタントは、進行中の要件のかじ取りをしながら、豊富な知識で臨機応変に対応してくれました」 IXIASOFT は対応が早く、私達の要望が新機能の設計で考慮されるように詳細まで気を配ってくれました。
- DITA CMS パブリッシングエンジンはカスタマイズされ、Sybase 自社製の付加価値が組み込まれたシステムに統合されました。これは、Sybase にとって最重要の要件でした。
- 当社固有のユースケースに対処できるようにユーザーフレンドリーなリレーションシップ・テーブル・エディターが開発されたので、コンテンツ再利用を有効にする接続を壊すことなく、文書間のリンクを容易に作成できるようになりました。
- オブジェクト間の関係のグラフィカルなドリルダウンビューを備えた「依存関係」ビュー(「使用場所」機能)が作成されました。
顧客主導の製品開発アプローチを採用した IXIASOFT はこれらの Sybase の要望を、CMS 全体を改良する機会と捉えました。IXIASOFT は長期的なパートナーシップを両当事者の関係の進展と認識しています。
ローカリゼーションコストを削減。よりスマートなコンテンツ再利用。ブランド管理妥協は一切なし。
今日、Sybase は IXIASOFT の DITA CMS の明確なメリットを実現し続けています。DITA CMS により、Sybase は再びローカリゼーションコストを管理できるようになりました。企業向けソフトウェア分野のローカリゼーション予算は平均 50 万ドルです。新しい CMS を習得中の段階でも、Sybase のローカリゼーションコストは 14% 削減されました。
Hartman 氏は次のように説明しています。
「かつては、フレームファイルをローカリゼーションベンダーに送り、プロセス、翻訳、出力の生成を含め、 その後のワークフローのすべてをベンダーが処理していましたが、 IXIASOFT が使える今日では、翻訳を除き、すべてのワークフローを弊社の合理化されたプロセスで処理するようになりました。 今では、本当にコンテンツを再利用できているので、完全に新しいコンテンツだけが翻訳用に提出されています」
Sybase が必要とする外注のローカリゼーションサポートはかなり少なくなりました。ローカリゼーションのコスト削減は今後数年で 30% 増えることが見込まれています。
Sybase は DITA CMS を利用することで、あらゆるタイプのメディアのコンテンツを開発の諸段階で素早く容易に追跡できます。 テクニカルパブリケーションチームは今、単一のコンテンツリポジトリと洗練されたユーザーインタフェースであらゆる処理を実行することができるようになりました。 Sybase の別の社内関係者はこう言っています「IXIASOFT のパワフルな検索機能でコンテンツを簡単に再利用できます」 コンテンツを最大限に再利用できるようになったことに加えて、ブランドの統一感の達成も決して非現実的な願望ではなく、ごく自然に達成されています。
この記事を書いてから数週間以内に、Sybase はこの驚異的な「生産性」のメトリックを数値化する予定です。ただし主観的なフィードバックでは、現時点で 30% 向上しているとのことです。生産性を測定し向上させるため、Sybase は CMS の組み込みのレポートツールを使用します。このツールを使用すれば、CMS をパワフルに利用して、文書の発行時間、トピックの再利用率、コンテンツの開発速度(執筆者とプロジェクト別)などの関連データを割り出すことができます。本読者がテクニカルパブリケーションの通常業務を変革したいとお望みの場合は、IXIASOFT がそのきっかけをお作りします。
CMS の購入を検討している場合に、各 CMS ベンダーに尋ねるべきビジネス関連の質問 :
- DITA の専門知識を持っている社員がいて、貴社は DITA 規格の形成に一から携わっていましたか?
- 貴社のソリューションに改良が必要な場合、貴社の研究開発チームに直接問い合わせて要望を伝えることはできますか?
- 貴社のソリューションと貴社で経験したことについて話してくれる信頼できる照会先はいますか?
- 実装前に、詳細な仕様分析を実施して、私の全要件に確実に対応し、実装における各ステップのビジョンをわかりやすく説明することに同意してくれますか?
技術的な質問:
- これは DITA 固有の CMS ソリューションですか?このソリューションは DITA 規格に 100% 対応していますか?
- ネイティブ XML データベースがあって、DITA特殊化のシームレスな管理を実現していますか?
- DITA特殊化に対応していますか?その場合、どのように対応していますか(「どのように」を重視すること)?
- 貴社のワークフローエンジンを容易に設定して当社独自のプロセスに対応することはできますか?
ソリューションはユニコードに完全に準拠していて、アジアと中東の言語との互換性を保証していますか?
元の DITA 実装によって複数のメリットがもたらされました。 ただし、テクニカルパブリケーションチームは、もっと成果があげられるはずだと考えていました。
- ブランドの統一感はまだ達成できていなかった
- DITA それ自体には、コンテンツ再利用を効率化するメカニズムはなかった
- パブリッシュした文書には依然として不正確さの問題があった
IXIA CCMS の主なメリット:
- DITA コンテンツを管理するように特化した CMS
- 統合インタフェースの容易なナビゲーションでコンテンツを作成、管理
- コンテンツを素早く見つけて再利用するツール
ソフトウェアメーカー用の DITA CMS
IXIA CCMS は、ソフトウェアメーカー固有のニーズに対処する上で優れた機能が揃っています。Sybase テクニカルパブリケーションチームは、ソフトウェアメーカーである自社にとって IXIA CCMS が非常にしっくりくる理由を理解していました。
- コンテンツ再利用と迅速なターンアラウンドによる製品ライフサイクル短縮のメリット
- 複雑な製品バンドルによって生じる大量のコンテンツ
- 顧客対応ブランドのコンテンツは統一感があり、ミスがあってはならない
- ソフトウェアプロバイダーは、印刷、オンライン、ソフトウェア自体内など、非常に幅広いメディアにまたがるコンテンツを再利用している
ソフトウェア会社は、平均以上の能力の(技術)サブジェクトマターエキスパート、アーキテクト、エンジニアを採用しており、その多くは新技術の採用をより快く受け入れてくれます。