成功事例

AMD

AMD のテクニカルドキュメント制作チームが、IXIASOFT のDITA コンテンツ管理に移行後、ポジティブな変化を体験したことを詳しく話してくれます

DITA コンポーネントコンテンツ管理の ROI:技術刊行物の実現

DITA への移行は、XML をドキュメント制作プロセスで使ってコストを節約することを予見した経営層が下した賢い選択でした。」と、2006 年に雇用主だった ATI Technologies を買収した AMD のグラフィックス製品グループのドキュメンテーションおよびローカリゼーションのマネージャー、Keith Schengili-Roberts 氏は思い出します。 「しかし、DITA のメリットをフルに実現できるようになったのは、IXIASOFT の DITA CMS を実装してからでした」 伝説的な AMD Radeon™ や FirePro™ グラフィックスカードを製造する企業の、トロントに拠点を置く、Keith のテクニカルドキュメンテーションチームは DITA をいち早く採用した企業やチームの 1 つです。

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Keith のチームは、OEM パートナーと ODM パートナー、消費者エンドユーザー用ガイド、オンラインヘルプなどの技術文書を制作しています。 ローカリゼーションは、チームのプロセスの重要な部分であり、文書の一部は毎月 21 カ国後に翻訳されています。 Keith は「DITA 以前の当社のツールチェーンでは、最小限のコンテンツ再利用しかできませんでした。 体系化されていないツールを使用し、専用のシングルソースシステムを実装していましたが、コンテンツに一貫性がなく、品質は文書ごとにばらつきがあり、再利用レベルはかんばしくありませんでした。 DITA では、トピックを思いのままの場所に配置できます。 コンテンツ利用には、はるかに良いアーキテクチャモデルです

2006 年になる頃には、このテクニカルドキュメント制作チームは「拡張性のないツールチェーンを使って、増え続ける文書成果物を制作するという事態に直面していました」と Schengili-Roberts 氏は説明します。 「しかし、IXIASOFT の DITA CMS ソリューションを使用した結果、ローカリゼーションコストを半分にカットし、執筆者の生産性が倍以上に上がり、文書の質が向上しました」 この組織がそのような素晴らしい結果をどのように達成したのか、ここではその事例をご紹介します。

DITA CMS への移行によって共通のフラストレーションを解消

ハイテク産業における DITA の主な推進要因は、その短い製品ライフサイクルにあります。 DITA を CMS で使用すると、新しいコンテンツを迅速に作成し、古いまたは時代遅れになったコンテンツを容易に特定できます。 AMD のグラフィックス部門での製品ライフサイクルは 6 カ月~12 カ月の短さです。 データはすぐに古くなることがありますが、DITA はその古くなったデータを管理するパワフルなプラットフォームを実現できます。 「当社の製品ライフサイクルは短いことがわかっていたので、既存のコンテンツの社内監査を実施した結果、最新・最善のコンテンツだけを DITA に移行することに最終決定し、不要な時間とコストを大幅に節約できました」と Keith は回想します。

もう 1 つの課題は、DITA ベースの CMS がないため、AMD の執筆者が依然として時間の半分を文書のフォーマットに費やしていたことです。 「たとえば、1 つの章の単純なヘッダーを変更するような場合でも、それが文書全体に五月雨式に影響するので、全体に手間をかけてレビューしてからヘッダー階層に手動で調整を行わなければなりません」と Keith は言います。 「IXIASOFT のパブリッシングエンジンはこの厄介な作業を完全になくしてくれるので、執筆者は本来の仕事である執筆に集中できます

クイックファクト

AMD は世界中に 1 万人以上の従業員を擁し、50 億ドルの収益を上げるハイテクメーカーです。 同社の専門分野は、顧客や技術パートナーと協働して、職場、家庭、遊び場での次世代のコンピューティングとグラフィックスソリューションを引き出すことです。

そのテクニカルドキュメント制作チームは最大 21 カ国の言語に文書を翻訳しています。

CMS の主な推進要因:

  • コンテンツ再利用を増やす
  • ローカリゼーションプロセスを管理し、ローカリゼーションコストを制御
  • ブランドの一貫性と管理性を高める

コンポーネント CMS の転換点

DITA をジェットタービンエンジンに例えてください。「飛行機」(=「コンテンツ量: “が小さい場合、プロペラからジェットエンジンにアップグレードするだけで人生が一変します.ただし、ジャンボジェットを操縦する(=より大量のコンテンツ)場合、エンジンは 1 つの側面に過ぎません。飛行機をコントロールするには、自動フライバイワイヤシステムも必要になります。最初の DITA 採用段階の後、コンテンツが増大し続けたため、AMD はさらに課題を経験することになりました。

最小のコンテンツ再利用
古いツールチェーンでは、高度な検索機能を提供するツールがなかったため、コンテンツ再利用の見込みは低いものでした。

上昇するローカリゼーションコスト
IXIASOFT の前まで、AMD はデスクトップパブリッシング(DTP)ツールを使い続けていました。このツールの選択によって、AMD とそのローカリゼーションベンダー間のプロセスがさらに複雑化し、同ベンダーは同じ DTP ツールを使ってコンテンツを配信し、フォーマットしなければなりませんでした。 ベンダーからは、単語ベースの翻訳料金に加えて、広範な DTP の追加料金が課せられました。 Keith は「単純な 200 ワードの文書に DTP 追加料金がかかり、その額は実際の単語ベースの翻訳料金より高いものでした。 まったくばかげています!」と Keith は思い出します。

フォーマットに費やされる時間を減らせば、生産性が増して当然ですが、アウトプットが 200% も上がるなんて当社の期待を上回りました。
Keith Schengili-Roberts 氏 – ドキュメンテーションおよびローカライゼーションマネージャー

予測できないローカリゼーションエラー
DITA CMS の実装前は、翻訳エラーがたくさんありました。 「旧システムでは、同じ言語内で複数のフォントの選択肢があり、実際フォントによって翻訳結果が異なりました」 Keith は思い出します「ローカリゼーションコーディネーターの 1 人は、日本語の 1 ページの単一文書内で使用されている様々なタイプの文字エンコーディングを解決しようとしました。 5 種類の文字エンコーディングスキーマが使用されていて、すべてを解決するのに数日かかりました

しかし問題はそれだけでは終わりませんでした。 英語内でも同様のフォーマットエラーが生じていたのです。 Keith は思い出深い古典的な例を挙げます「多くの技術文書は拡張 ASCII 記号を使用し、その 1 つが電気インピーダンス(オーム)を表すオメガ(Ω)記号です。 あるフォントでこの記号を表示するには、Shift+Wを押せば済みました。しかし、この同じ文書を、そのフォントがない他の人のマシンから印刷すると、「Ω」ではなく文字通り「W」が表示されます。 「W」は電気用語ではワットに相当するので、とんでもなく不正確な意味になるだけでなく、私達が無知に見えてしまいます! もちろん、IXIASOFT の DITA CMS ではユニコードが強制実行されるため、そのようなエラーはなくなります

一貫性のないブランド管理

古いツールチェーンを使用していた AMD は、一貫した基本的なブランド管理方針を実施する上で課題に直面しました。 たとえば、カナダに拠点を置く ATI を買収したときは、その商標記号の多くに小さくても重要な法的調整を行う必要がありました。 親会社によるブランド変更を反映させるために、ATI の元の商標の多くを更新することが必要でした。 Keith はこう言います「古いツールチェーンを使っていては、膨大な時間と労力を投じないと、これらの単純でありながら重要な変更を全文書に行うことはできませんでした。 IXIASOFT の場合、エンティティベースのシステムを実装でき、そのようなすべての記号は一元的なルックアップチャートにリンクされており、1 度変更すれば、ドキュメントのその他の全バージョンにその変更が自動的に反映されます

IXIASOFT:ハイテクメーカーにぴったりな CMS

AMD は、ポジティブな変化を成し遂げるという意気込みのもとに、DITA に準拠した上位 10 の CMS ベンダーの徹底的な選別プロセスを開始しました。 主な基準の 1 つはユニコードの強制実行機能でした。どのようなユニコード文字を入力しても必ずユニコード文字として表示されて、文字化けのサプライズをなくす必要がありました。 Keith は、ユニコードのレジリエンスをテストしたときに CMS ベンダーにしかけた「罠」を思い出しました「私達はユニコードのコンプライアンスの限界を押し広げる悪名高いテストを実施しました。 「私はガラスを食べることができます。食べても傷つきません」というバカげた文を用意し、ユニコードプレーンの主要セグメントを使って多くの言語に翻訳しました(実際の作業ではこれほどの処理は必要ありません)。 私達は自分たちのノウハウを使ってこの文を正しい翻訳にする作業を約 100 カ国の言語で行いました。 次に、この文をユニコードで描出し、テスト手順の一環としてベンダーに提出し、各社の CMS にインポートしてもらいどのような結果になるかを確認しました。 DITA に準拠する上位 10 の CMS ベンダーのうち、8 社があっけなくテストから脱落しました。 IXIASOFT は合格でした

マルチプラットフォームへの対応も重要でした。AMD には当時、Windows 98、Windows NT、Windows Server® など、複数のバージョンの Windows® を稼働するシステムがありました。また、Linux® システムと Mac OS システムだけを使って作業をする開発グループもいます。Keith は賢明にも、すべてのプラットフォームで利用できる CMS を求めました。IXIASOFT の DITA CMS は、OS 間で一貫したパフォーマンスを発揮する Eclipse ベース(Java)のプラットフォームです。

AMD のテクニカルドキュメント制作チームは、IXIASOFT のソリューションによる独自の機能を多数挙げています。

コンテンツを最大限に再利用

IXIASOFT のソリューションには、トピックを素早く検索する素晴らしい機能があります。 16,000 以上のトピックの中から検索し、役に立つ結果を素早く出してくれます。 私達は、特定の主題についてすでに何かが書かれているかどうかを瞬時に判断することはできません

直感的なインタフェース

DITA CMS には、DITA マップ用に非常に優れたドラッグアンドドロップ式インタフェースが備わっています。 誰かが「これはここに移さなければ」と思ったとします。DITA CMS の場合、コピーして貼り付ける操作すら必要なく、トピックをマップのある部分から別の部分にドラッグアンドドロップするだけで済みます

自動化された集約型パブリッシング

出力の生成は簡単です。マウスで 2、3 回クリックすれば、あとは出力サーバーが処理してくれます。 フォーマットの変更は中央出力サーバーでシームレスに、瞬時に更新されるので、出力の一貫性が確保されます

管理の完全な可視性

マネージャーの立場で言うと、生産性の統計情報を臨機応変に生成できます。旧ツールチェーンではできなかったことです。 特定の期間内に個々の執筆者が行った新しいまたは改訂したトピックの数を調べれば、誰が多忙を極めているのかを確認できます

何をパブリッシュしているのか、進捗状況はどうか、パブリッシュしている全言語について、取締役と副社長に容易に報告できます 」 トピックの再利用率も測定できるし、生産性の統計に基づく将来のリソースのニーズを予測し、DITA CMS とシームレスに連携する Business Intelligence Reporting Tool (BIRT)を使ってすべてをグラフ化することもできます。 これほどのレベルの詳細を入手できたり、有益な統計情報を出したりできることは、他のマネージャーにとっては夢のようなことでしょう。 このようなレポートがあれば、予測によって過剰な負担が示されたときに、執筆者の増員を求める根拠を説明しやすくなります

ユーザーフレンドリーな実装

実装はスムーズにいきました。 IXIASOFT と私達はまず共同で、執筆者がアクセスして CMS に慣れることができるプログラムを立ち上げました。ただしこのプログラムは、文書を制作するためのものではありません。 このようにシステムを分かりやすく紹介していくことで、私達は後で使用するコンテンツをリポジトリで作成でき、執筆者は DITA を使った操作に慣れることができます

 

実証済みの投資回収率

IXIASOFT の DITA CMS システムは、トピックベースのオーサリングに備わっている効率性と業界の強みである加工ツールを組み合わせたものです。 DITA をこれ以上効果的に使う方法はほかに考えられません。
Keith Schengili-Roberts 氏 – ドキュメント制作およびローカリゼーションマネージャー

ソフトウェアソリューションの ROI については、「行動は言葉よりもはるかに雄弁である」と言われていますが、そのようなケースはそれほど多くはありません。それとはまったく対照的に、IXIASOFT は約束した言葉を明確な形にして結果を出しました。

まず、AMD はローカリゼーションコストが大幅に削減されたことを目にしました。これは、AMD にとって成功を測る重要な基準でした。 「具体滝な数字は控えますが、当社のローカリゼーションの予算は非常に大きく、脅威的な速さで増大していました」と Keith はヒントを言います。 「実装後、同じ量のマテリアルでも、最初の年だけで 50% も削減できました。 その後も、より多くの言語で追加の文書に取り組みましたが、元のローカライゼーション予算の約 1/4 しか使用していません

これらの成功の多くは、IXIASOFT が実現した効率性によるものです。より具体的に言うと、IXIASOFT の DITA CMS は、すでにターゲット言語に翻訳されたセグメントを前処理してくれます。英語の語句が翻訳されないまま残っていて、その同じセグメントを別のターゲット言語に再翻訳する必要がない場合、CMS が自動的にその部分を除外してくれます。したがって、ローカリゼーションベンダーがレビューする必要がある数多くの語が、AMD の古いツールチェーンよりも格段に少なくなります。

第 2 に、執筆者によるコンテンツの再利用を可能にすることで、執筆者はより短期間でより多くの文書を作成できます。 IXIASOFT の自動フォーマット機能と組み合わせると、「AMD は、執筆者の効率性が 2.3 倍向上したことを測定しました。 つまり、執筆者が古いツールチェーンで作成できる 10 個の文書ごとに、同じ期間内で 23 個の文書を作成できるようになったのです」と Keith は言います。

さらに、従業員はこの新しいモジュール型アーキテクチャを進んで利用しており、DITA などの規格を使用することの重要性を理解しています。多くの執筆者とローカライズ担当者が、多くの点で仕事がとても楽になったと感じています。

最後になりましたが、ソフトウェアソリューションの質は、提供するベンダーによって決まります。 Keith はこう言います「私達は IXIASOFT の製品サポートの応答の迅速さにとても満足しています。 私達のチームの執筆者がバグを報告すると、時には 1 時間で修正されます。 納品を納期通りに守り、定期的なサポートミーティングを設けてくれて、IXIASOFT の第一級のサービスには心から感謝しています。 IXIASOFT のソリューションは強固で拡張性に優れ、3 年以上にわたって成果をあげています

今日、AMD は技術文書作成の効率性と有効性で同業他社をリードしています。Keith のグループは、IXIASOFT の DITA CMS をエンジニアリング部門全体で評価・検討するきっかけを作ったパイオニアとして社内で見られています。