成功事例
Intel FPGA
数十億ドルの売り上げを上げている企業が、従来のデスクトップパブリッシングツールから DITA に切り替えた結果、素晴らしい成果を達成しています。その詳細をご覧ください。
FrameMaker® から DITA へ:Altra はいかにして DITA XML と IXIASOFT DITA CMS のドキュメント制作ソリューションに出会ったのか
Altera® Corporation は年間 20 億ドルの収益を上げる半導体企業で、ニーズに応じた柔軟なコンピューティングソリューションの構築を実現するプログラム可能論理回路で最もよく知られています。1983 年に設立された Altera はカリフォルニア州シリコンバレーに拠点を置き、20 カ国以上の国々に 3 千人以上の従業員を擁しています。同社の顧客には、通信事業、ネットワーク、医療機器、放送事業、軍関係、自動車部門の企業が含まれます。これらの企業は、Altera 製のフィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)を自社製品の製造に使用しています。
2015 年 6 月、Altera と Intel® は、インテルが Altera を 167 億ドルで買収することに両社が同意したという発表を行いました。この買収取引は 2016 年の第一四半期末に成立する見込みです。
Altera、ドキュメント制作の課題に対処
Altera は装置を販売する上で、ドキュメント制作に大きく依存しています。そのため、自社の文書が正確で見つけやすく、最新データがすべて含まれていることが極めて重要です。顧客がどの製品を購入したらいいのかを知りし、Altera コンポーネントを自社製品に適切に組み込むにはそうしたデータが必要だからです。Altera の Web サイトから文書をダウンロードする人々の大半は設計エンジニアで、FPGA の機能が開発中の製品で機能するかどうかを判断するために、これらの機能を知る必要があります。
中心メンバー 28 人を擁する Altera のドキュメント制作チームは、グローバルに広がっており、そのテクニカルライターの大半はカリフォルニア州サンノゼにいます。選ばれたコンテンツを日本語と簡体字中国語にローカライズする翻訳者も 7 人いて、Altera のリーチをグローバル市場に広げています。
Altera のキュメント制作チームは DITA に移行する前、従来のデスクトップパブリッシングツール、Adobe® FrameMaker® と RoboHelp® を使って、オンライン配信用の HTML および PDF ベースの文書を作成していました。文書自体は出来が良くて正確でしたが、ユーザー体験の問題が複数あり、懸念材料になっていました。顧客からは、オンライン文書で情報を検索する際に情報が見つけにくいという不満の声がありました。PDF ベースの文書に伴う問題の一部は、インデックス作成中に検索エンジンが PDF のテキストを切り捨ててしまうため、ユーザーが答えを求めて検索しても、それぞれの文書の完全なテキストを検索できない点にあることがわかりました。Altera の Web サイト上の特定の工学用語や製品用語を検索すると、数十ものファイルが返され、しかもどのファイルが正しいのかを示すヒントもありませんでした。
Altera チームは、表内のコンテンツなど、コンテンツのフォーマット作業にあまりにも多くの時間を費やしていることにも気付きました。これは半導体企業に共通の問題です。と言うのは、部品の特定の電気、熱、または信号の値などの項目を詳述する広範な表ベースのコンテンツが多くの文書に含まれているためです。
表のフォーマットに加えて、改ページの詳細、テキストの字下げ、段落の上下のスペースの調整、箇条書きの厄介な作業にも時間を費やしていました。フォーマットの詳細に手をかけると文書の外観が映えますが、フォーマットにかける時間の一部を追加のコンテンツの作成に充てた方が良いのではと Altera は考えます。
Altera の文書要件の社内分析を実施したところ、顧客のニーズをより的確に満たすには、4 つの大きな課題に対処しなければならないことが判明しました。
検索:検索機能の改良
拡張性:ライターの数を増やす予定がないまま、増加する一連の製品の文書を作成
カスタムドキュメント制作:高度に構成可能な製品セットに起因する、より正確で専門的な文書への増え続ける要望に対応
パブリケーションサイクル:製品化のサイクル短縮に合わせて文書制作を管理し、既存の文書の修正や更新により機敏に対応
クイックファクト
- 業種: 半導体
- 収益:20 億米ドル)
- 製品:プログラマブルチップ(論理デバイス、FPGA)
- 本社: カリフォルニア州サンノゼ
- 世界 20 カ国以上のオフィス
- テクニカルコミュニケーションオフィス: 米国、カナダ、英国、マレーシア
- 国内外の従業員数: 3,000 人
- ドキュメント制作チーム: ライター 28 人、翻訳者 7 人
CCMS の主な推進要因:
- 検索
- 拡張性
- カスタムドキュメント制作
- パブリケーションサイクル
ソリューションの一貫としての DITA XML
2011 年、Altera のテクニカルコミュニケーションマネージャー、Sergio Brizuela 氏はソリューションの可能性を求めてインテリジェント・コンテンツ・カンファレンス(ICC)に出席しました。彼はそこで、他の多くの企業も同じ問題に直面していて、DITA XML を使って課題にうまく取り組んでいることを発見しました。DITA なら、チームのドキュメント制作課題の多くに対処できることが明らかになりました。
ICC で DITA 関連のプレゼンテーションを見て、DITA を採用すれば以下の課題に対処できることを確信しました。
- 改善したメタデータでより多くの HTML コンテンツを配信することで、検索機能を強化してユーザー体験を向上させる
- コンテンツの再利用で効率性を達成して、各ライターの生産性を高める
- DITA トピックで顧客のニーズによりマッチし、より正確な文書を作成する
- DITA とコンポーネントコンテンツ管理システム(CCMS)を併用してパブリケーションサイクルを短縮する
Sergio は、ドキュメント制作チームを DITA に移行させた場合、巨額のコストと大がかりな変更管理が生じるだろうと現実的に思っていました。しかし、数字をかみ砕いて分析した結果、彼のビジネスプランは、DITA XML とそれをサポートする CCMS を実装すれば節約を見込めることを明示していました。Sergio は情報アーキテクトの Severin Foreman 氏を雇って DITA の実装をガイドしてもらい、ドキュメント制作チームへのミニマリストライティング技法のトレーニングワークショップを実施する企業に Comtech Services を選びました。
IXIASOFT DITA CMS の選択 DITA 規格に切り替えた後、ドキュメント制作プロセスをさらに最適化するには、CCMS での作業が必要なことを Altera は知っていました。Altera は、ニーズに最も合う DITA CCMS を決定するために、1 年にも及ぶプロセスで熱心に吟味しました。Altera は、市場にあるすべての DITA 対応ソリューションを正式に検証し、良さそうなベンダーの短いリストの製品を積極的に試用してみたのです。その中には IXIASOFT が含まれていました。Altera は以下の決定要因を基に IXIASOFT DITA CMS を選びました。
- 最善のアプローチ
- 統合システム内での DITA オーサリング
- 強固な検索機能とワークフロー
DITA CMS は弊社にとって大きな躍進です。 セントラルリポジトリで管理されるオブジェクトはグローバルにロックされていて、別のライターは上書きできず、オブジェクトの依存関係を素早く確認して改訂履歴を作成できるようになっています。この仕組みはライターたちに大好評です。
Severin Foreman 氏 – 情報アーキテクト
最善のアプローチによるメリット
XIASOFT DITA CMS は、そのソリューションを補完する最善のアプローチを採用した、包括的な CCMS です。したがって、お客様は、業界にとってベストではない可能性があるコンポーネントの単一ソリューション一式を無理に使用するのではなく、自社にとって最も効果を発揮する補助ツールを自由に選択できます。DITA CMS を補完するため、Altera は業界最先端の XML エディターである oXygen XML (SyncRO Soft)をオーサリング用に、DITAweb (Mekon)を配信用に、Adobe® CQ を Web サイト管理ソリューション用に選択しました。
単一の統合 DITAインタフェース
Altera のコンテンツ制作者にとってもう 1 つの重要な IXIASOFT DITA CMS の機能は、DITA のあらゆる操作に対応する単一のユーザーインタフェースです。DITA CMS は、オーサリングからコンテンツの検索、ワークフローの管理、出力の生成まで、すべての DITA 関連項目の作業が行える完全に統合されたシステムを実現します。
他の多くの CMS 製品は、バラバラのスタンドアロンプログラムで動作するプラグインを提供しているため、ライターのユーザー体験には一貫性がありません。 そのため、DITA トピックがワークフロー内にどこにあるのか常に把握することがユーザーにとって難しくなります。これでは理想的な作業環境とは言えません。 Sergio にとって、統合された DITA CMS インタフェースは「他のソリューションよりも IXIASOFT に軍配が上がった決定的な主要因の 1 つでした」
強固な検索機能とワークフロー
IXIASOFT DITA CMS 内に組み込まれた強固な検索機能とワークフロー機能も Altera にとってもう 1 つの重要な側面でした。 システムを瞬時かつ広範に検索できる機能により、コンテンツ作成者は探している者を素早く簡単に見つけることができます。 コンテンツ作成者は DITA CMS を使用することで、前にファイルで作業をしていたのは誰か、トピックがどのドキュメントですでに使われているかを追跡でき、サブジェクトマターエキスパート(SME)がトピックのリリースを承認したかどうかを知ることができます。 Severin はこう言います「DITA CMS は弊社にとって大きな躍進です。 セントラルリポジトリで管理されるオブジェクトはグローバルにロックされていて、別のライターは上書きできず、オブジェクトの依存関係を素早く確認して改訂履歴を作成できるようになっています。この仕組みはライターたちに大好評です」
Altera が DITA CMS で達成した改善点
私は IXIASOFT の人たちが大好きです。 仕事に情熱を持ち、自分たちが構築しているものをよく知っている優れた人達の集まりです。 私たちは IXIASOFT の大ファンです。
Severin Foreman 氏 – 情報アーキテクト
Altera が DITAベースのドキュメント制作を導入してからまだ日は浅いですが、すでに以下を含む目標を達成しつつあります。
- 記述メタデータでより多くのコンテンツを HTML として提供できるおかげで、強化されたオンライン検索機能でユーザー体験が改善
- 効果的なコンテンツ再利用のおかげで発行数が増加
- より顧客に力点を置いた新しいコンテンツと文書の作成への集中した取り組み
- より臨機応変で信頼できるドキュメント制作プロセスを実現。コンテンツ作成者はフィードバックに素早く対応でき、最適化されたワークフローによってコンテンツをリリース前に確実に検証することが可能に
実証済みのコンテンツ再利用
Altera が DITA ベースのドキュメント制作に切り替えた理由の 1 つは、ライターの効率性を高め、より正確で一貫性のあるユーザー用の文書を作成するためでした。そのモジュール式の性質のおかげで、DITA トピックコンテンツの制作とコンテンツの再利用の評価をたやすく行うことができます。コンテンツ再利用の追跡は、パワフルな組み込みのクエリーツールに付属する IXIASOFT DITA CMS で容易になります。クエリーの結果は、Microsoft® Excel などのスプレッドシートプログラムを使ってエクスポートと分析を行ったり、オープンソースの Business Intelligence Reporting Tool (BIRT)を使ってより詳細な分析を実行したりすることができます。
Altera は、Comtech Services の共同設立者であり副社長でもある Bill Hackos 博士が考案したコンテンツ再利用の式を使って、自社装置のハンドブック⁴ のコンテンツ再利用率が約 130% に達することを割り出しました。他のテクニカルコンテンツではこの割合はやや低くなります。 Severin は「事実、再利用率は上がっています! 上昇中です!」と感嘆します。
Altera のこれらの結果は、コンテンツのかなりの部分が効果的に再利用されていて、ユーザーにとってより信頼できる文書になっていることを示しています。コンテンツ再利用によって、同じコンテンツを繰り返し書く必要がなくなったコンテンツ作成者の作業負荷も減って、ユーザーにとってより中身の濃いコンテンツの制作に集中できます。Altera は効果的で効率的な DITA CMS の導入を間違いなく軌道に乗せています。DITA CMS で効果が表れ始めているその他のメリットを以下にご紹介します。
- 文書の質の向上により、Altera のサービス技術員のサポートの負荷を軽減
- コンテンツ再利用が増えた結果、整合性が改善(エラーの修正は 1 度だけで済む)
- 将来他のシステムと統合できるおかげで、効率性が向上
IXIASOFT DITA CMS は技術的な観点から見て、Altera にとって明らかに正しい選択肢である一方で、それ以上の成果をもたらしました。 Severin は言います「私は IXIASOFT の人たちが大好きです。 仕事に情熱を持ち、自分たちが構築しているものをよく知っている優れた人達の集まりです。 私たちは IXIASOFT の大ファンです」
¹ Altera、「Altera Corporation 2014 Annual Report (Form 10-K)」 Altera、アニュアルレポート(2015 年 11 月 18 日)、 <investor.altera.com>.
² Altera、「Who are Altera’s customers?」 Altera、よくある質問 No. 4 (2015 年 11 月 18 日)、<investor.altera.com>.
³ Bill Hackos 博士、「What is the Best Metric to Measure the Success of Your Reuse of DITA Topics?」 CIDM Information Management News 8 巻 6 号(2008 年 6 月)。 Www.infomanagementcenter.com.. から入手可能
⁴ Severin Foreman および Sergio Brizuela 「How DITA Transformed Content Delivery at Altera: One Company’s Journey」スライド 17 (プレゼンテーション、DITA North America, Chicago, IL、2015 年 4 月 20~22 日)