成功事例
Énergir
ケベック州と米国 10 州以上で事業を運営している多様なエネルギー会社、Énergir の School of Gas Technology (ETG)がどのようにして Microsoft Word からエンタープライズ級のコンポーネントコンテンツ管理システムに切り替えてトレーニング文書を管理しているのかをご紹介します。
「市場にはパワフルなソリューションが複数販売されていますが、前進するなら、IXIA CCMS が迷うことなくベストでした」
Raymond Bissonnette – Énergir のシニアトレーニングアドバイザー
資産 70 億ドル以上を有する Énergir は、より一層持続可能な方法でサービスを提供している 52 万人の顧客とコミュニティのエネルギー需要を満たすことに注力している多様化エネルギー会社です。ケベック州の大手天然ガス供給会社として、風力発電子会社を通じて電気も作り出しています。Énergir は米国の子会社を通じてほぼ 15 の州で事業を運営して、水力、風力、太陽光から電気を作り、バーモント州では主要な電気供給会社であり、唯一の天然ガス供給会社でもあります。
Énergir はエネルギー効率を重視して、再生可能な天然ガス、および液化/圧縮天然ガスなどの革新的なエネルギープロジェクトに投資しています。子会社を通じて、多様なエネルギーサービスも提供しています。Énergir は、より良いエネルギーの未来を切望する人から選ばれ、評価されるパートナーになることを望んでいます。
1960 年、Énergir はガス技術の教育専用の、初の社内トレーニングセンターを開設しました。数年後、School of Gas Technology (ETG)という名称の施設は、教育活動をガス部門の全社員にまで広げました。1993 年には、ケベック州文部省から認証評価を受け、私立教育センターとしての公式な立場を認められました。この認証により、同社は AEC (Attestation of Collegial Studies)と ASP (Certificate of Professional Specialization)を取得できる制度を設計することができました。ETG は長年にわたって天然ガス網と装置の運用とメンテナンスの分野で独自の専門知識を身に付けてきました。同校は現在、ガス産業向けに用意した幅広いトレーニングプログラムを提供しています。その教育サービスは非常に多くのオーディエンスに届けられており、学生、企業、治安関係者の特定のニーズを満たしています。
Énergir にとって正確なドキュメンテーションが重要な理由
重要でリスクの高い作業を行っている現場の従業員を抱える Énergir は、正確なエンジニアリング、安全衛生、標準運転の手順、およびトレーニング文書を作ることがどうしても必要です。社内外両方の顧客用の各種トレーニングコースをサポートするため、ETG では 1 万以上の文書が使われています。
研修部門も、この文書の大半を新しい従業員に紹介し、ガス供給の信頼性と安全性に関連する重要な作業を対象とする、会社の能力査定制度を管理する責務を負っています。
クイックファクト
業種: エネルギーソリューション
収益:2 億 5710 万ドル(2018年)
商品: 風力発電、太陽光発電、水力発電、電力供給
本社: ケベック州モントリオール
顧客: ケベック州とバーモント州で 52 万人以上
CCMS の主な推進要因:
- 拡張性
- 複数のチーム全体で文書管理
- 企業の IT 部門によるサポートが可能
CCMS 採用の推進要因
ずっと昔(2016 年以前)、EGT は時代遅れの Microsoft Word を使って、文書を作成し、管理していました。このソリューションは 15 年以上に開発したものでしたが、「印刷には十分ですが、拡張性に乏しく、HTML のより動的なコンテンツを配信するというニーズの増大にはまったく合っていませんでした」と、ETG のシニアトレーニングアドバイザー、Raymond Bissonnette 氏は言います。
同社を DITA CCMS の採用へと突き動かした、旧システムで直面していた主な課題は次のとおりです。
- 共有ドライブで文書を管理しにくい
- 拡張性がない
- 長期維持が難しい
- コーポレートIT部門でサポートできなかった
ETG は、DITA オーサリング、発行、コンテンツ管理用の長期的なドキュメント制作ソリューションを探し求めていました。彼らは古いテクノロジー、およびカスタムビルトシステムを保守する個々の人材への依存度を下げながら、どのような情報でも同じ外観で出力し、執筆者の生産性レベルを改善し、トレーニングソースの完全性を保護するシステムを入手したいと望んでいました。
「市場にはパワフルなソリューションが複数販売されていますが、前進するなら、IXIA CCMS が迷うことなくベストでした」とBissonnette 氏は言います。「ETG にはすでに、マップ、コンテンツのリファレンスとフィルタリングを基盤としたドキュメントアーキテクチャがあったので、DITA XML ベースのシステムを採用することは、私達にとって自然なアップグレードパスでした」
ETG とその IT サポートチームは、IXIA CCMS なら各種部門間の橋渡しになって、コンテンツの作成と配布を統合できるだろうと考えました。
IXIA CCMS がある人生
ETG は Comtech のコンサルタントの助言を受けて IXIA CCMS を選択し、2016 年にシステムの導入に成功しました。以来、ETG は以下の作業に CCMS を利用しています。
- コース、筆記試験、実技試験に関わるトレーニング文書の管理
- 作業の教育に使われる標準運用手順の作成
- 実用評価におけるこれらの手順とチェックリストの再利用
- 学習管理システム(LSM)による筆記試験の管理(Dynamic Release Management(DRM)を利用)
IXIA CCMS の採用で達成した最大のことの 1 つは、中央 IT 部門からのサポートが改善した点です。Word に基づく古いソリューションは、社内でつなぎ合わされたもので、新しい管理チームが増大するニーズにより適切に対処し、会社でサポートされているソリューションを実装するには、IT に手伝ってもらう必要がありました。
Bissonnette 氏によると、ETG は既存の複数のサイロをつなぎ合わせ、社内全体でコンテンツの共有と共同作業を促進する必要がありました。XML ベースのシステムを採用し、効率的なワークフローを実装することで、この目標の達成にかなり近くまでたどり着きました。
CCMS、より具体的には DITA XML アーキテクチャを採用することで、独自仕様のソリューションに伴う社内開発コストをかけることなく、一連の新しい機能を利用できるようになりました。
IXIA CCMS により、1 日もかけずにブランドを再確立
IXIA CCMS により、1 日もかけずにブランドを再確立
2017 年 11 月、Gaz Métro は社名を「Énergir」に変えました。技術文書について言えば、ブランドの再確立は数千個ものコンテンツを大量に見直すことを意味します。
「PowerPoint や Word 文書内での移行だったら、当社のグラフィックアーティストの作業に多くの日数を要したでしょう」と Bissonnette 氏は言います。
「IXIA CCMS の場合、Gaz Metro キーを Énergir に変え、プラグインのフロントページとヘッダーのロゴを変えるだけで済みました」
ETG は IXIA CCMS の技術文書作成ツールを使って、社名、ロゴ、ブランドを 1 日たらずで切り替えることができました。ETG は、この規模のブランド再確立に伴いがちな時間、コスト、ストレスを節約しました。
健全なアーキテクチャとプロセスと共に XML と CCMS を採用することは、組織が将来に向けて備える上で最善の決定の 1 つです」
Raymond Bissonnette – Energir のシニアトレーニングアドバイザー
IXIA CCMS を学習管理システム(LMS)に統合
ETG は IXIA CCMS を学習管理システム、PeopleFluent に統合しました。目標は 2 つありました。
- LMS から公式なコースタイトルを取得(EGT はリストを夜間インポート)
- ホスト SCORM から知識評価の出力
LMS は ETG コースのメタデータの主要ソースとして使われています。メタデータは LMS から、新しい DITA ファイルを CCMS で作成するため、または既存のメタデータを CCMS を更新するために抽出されます。
CCMS は、学習評価用の SCORM パッケージの作成に使われ、このパッケージはコース終了時または必要な定期的認定用に従業員を評価するために LMS にインポートされます。ETG 学習評価の出力/プラグインも、コース全体で使用される知識クイズの発行をサポートしています。SCORM パッケージとオンラインクイズは同じ HTML ユーザーインタフェースを共有しています。
ETG は IXIA CCMS を使って、DITA コンテンツを生成または使用できない外部システム(PeopleFluent)と統合することができます。 IXIA CCMS では、企業は DITA を使って 特定の コンテンツを制作するかどうかを決定したり、DITA によるコンテンツの再利用を享受したりすることができ、そのコンテンツに情報を提供する、またはそのコンテンツからの情報を利用するすべてのツールを必ずしも変更する必要はありません。
これまで DITA を使ったことがない企業に DITA をお勧めしますか?
「もちろん、お勧めします」 Bissonnette 氏は答えます。
「コンテンツの用途変更、フィルタリング、マルチチャネルパブリッシングなどのビジネス要件を抱えるあらゆる企業にとって、DITA は検討の価値があります」
ETG が DITA ソリューション内で特に便利だと思った 1 つの機能は、小さいチームの予算でパイロット版または概念実証を実施できることです。CCMS の支援によって、ソリューションを前進させて拡張し、数百単位のオブジェクトをサポートできます。
協働して高い質のコンテンツを制作することは、ETG にとって以前は難しいことでした。IXIA CCMS のおかげで採用プロセスがはるかに容易になりました。
「今後リリースされる Lightweight DITA 規格も、離れた場所にいるチーム内での共同作業を実現します。一部のユーザーの場合、DITA のラーニングカーブはやや険しいかもしれませんが、カーブをなだらかにする方法もありますし、段階的な実装ですぐにメリットを実感できます」と、Bissonnette 氏は言います。
将来 – Énergir は CCMS の支援でどのように成長していくのか?
「当社の新しいツールセットはこれまでのツールよりも、成長と拡大にはるかにあっています」と Bissonnette 氏は語ります。「健全なアーキテクチャとプロセスと共に XML と CCMS を採用することは、組織が将来に向けて備える上で最善の決定の 1 つです」
IXIA CCMS を利用すれば、様々なビジネス機能の管理に必要な分散したシステムをつなぐことができるようになると ETG は見込んでいます。ERP、LMS、ラボ管理ポータル、その他の情報システムが一度に稼働するので、増大するビジネスニーズに対応するツールを持つことが極めて重要です。これらのシステムの一部は現在、実装または交換中です。
ETG は IXIA CCMS システムをコンテンツのサイロ間の橋渡し役として使用するつもりです。
「私達の新しい機能を他部門に見てもらい、質が高くて正確な最新の文書を共同作業で作成できる、より密接な作業スペースにエンジニアリングや安全衛生部門などを招きたいと思います」と Bissonnette 氏は語ります。
将来を見据える
ETG は現在、トレーニングプログラムを再設計して、能力推進制度にさらに貢献することを検討しています。様々なソフトウェアソリューションをまとまりのある環境に統合すると問題も生じます。また、スタッフは仕事をしているどの場所からでもコンテンツを簡単に見つけることができなくてはなりません。
いずれの場合でも、DITA XML アーキテクチャは次のことを支援します。
- 実際のコンテンツを PDF または HTML 版のプレゼンテーションから分離
- コンテンツはすでに小さいにコンポーネントに分かれているため、トレーニングプログラムを容易に改訂
- 柔軟なメタデータプロファイルをコンテンツの様々な部分に容易に適用(その結果、コンテンツがよりインテリジェントになります)
- CCMS にホストされているコンテンツを他のソフトウェアコンポーネントに容易に統合
- スキマトロンを使用して、ビジネスルールのスペシャライゼーションやオーバーレイのような構造上の改良を行う
Bissonnette 氏によると、CCMS は ETG システムの中で最も柔軟性に優れています。
ETG は IXIA CCMS を利用して、各種部門間の距離を埋め、技術文書作成プロセスを合理化し、学習管理ポータルの効率化を最大化するつもりです。
「DITA、構造化した執筆、IXIA CCMS があれば、素晴らしいことを成し遂げられます。